コラム

2017.05.03

横浜ランドマーク法律事務所について ― その4

 平成20年から平成24年までの状況について述べると,この時期には新人弁護士が毎年加入するなど事務所として活気が生まれたときである。具体的には薩川智結弁護士(61期),網野雅広弁護士(62期),油木香弁護士(62期),新井隆弁護士(63期),國澤絵里弁護士(63期),實藤英樹弁護士(63期)が入所して手狭になったため,39階に50坪の部屋を借りて弁護士全員が39階執務室,事務局は従前通り38階で業務することになった。合計11名の弁護士が在籍した。

 この時期は事務所内の新人教育は黒田和夫,黒田陽子,小倉孝之,髙田涼聖が新人弁護士にマンツーマンで教育をした。この目的は「ノキ弁」であるとしても充分な新人教育を行うことで,従来の徒弟制による教育のメリットを引き継ぐことができると考えたからである。ちなみに,新井隆弁護士は黒田陽子,國澤絵里弁護士は髙田涼聖,實藤英樹弁護士は黒田和夫が担当した。新人弁護士にとって自活制であるとしてもマンツーマンによる個人指導を受けられることは何物にも代え難いものがあるはずである。このシステムはその後入った新人弁護士たちにも引き継がれている。

 ここで多少横道にそれるが,当事務所はロースクール生ではなく,旧司法試験合格者のみを募集の対象としていた。その理由はもちろんロースクール制度に賛成していないからである。つまり,平成14年に発足した当時,大方の市民法律事務所はロースクール制度に反対をしていたものであり,それを最後まで貫いたにすぎない。だんだんと時の経過とともに当事務所がロースクール生を採らないという評判が出て,あたかも頑なにロースクール制度に反対している変わった事務所であると思われるようになった。しかし,変わったのはロースクール制度に賛成に転じた事務所であり,当事務所は何も変わってはいないと思う。昨年から爰地紗佳弁護士(69期)及び山下聖仁弁護士(69期)を採用することになったのは,すでに旧司法試験合格者という存在がなくなったからである。

 それからロースクール制度に感じることは,一人前の弁護士になるためには,当然であるが法的知識は持っていなければいけないが,それだけでは決して充分ではない。われわれ市民弁護士は裁判官・検察官と違って依頼者を自らの力で獲得する必要がある。これを直接伝授していたのが徒弟制度といわれる,ボス弁・イソ弁の関係である。たとえて言うと,板前であると同時にそれ以上に漁師でなければ,われわれ弁護士は収入を得られない。ところが,司法改革の名のもとに,ロースクール制度ができた結果,ロースクールで教える内容は板前の修業と同じであり,漁師としてのノウハウは得られなかった。そういう状況で司法試験合格者を従前の500名から2000名以上に増やしても板前を増やしただけであり,ひとりでは到底生活することができない弁護士が大量発生することになった。そうしたなか,先に述べたように「ノキ弁」なる言葉ができて新人弁護士と事務所の弁護士との人間関係も希薄なものになっていかざるを得ないものであった。

 当事務所においては各自の弁護士が事務所に対して一定の上納金を支払うことにより事務所を維持するやり方をとるとともに,他方最初の1年間はベテラン弁護士と新人弁護士が1対1で仕事をすることによりベテラン弁護士の仕事に関するノウハウを体得できるようにしており,人間関係も非常に濃いものがある。

 ロースクール制度が必要なものだったかどうかについて関係者は総括すべきであり,失敗ならばその責任追及を行うべきである。(5に続く)

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